自分のキャラクターを背後から見ながら操作し、敵を撃ち、障害物に身を隠しながら戦う――三人称視点シューティング(TPS)ゲームは、戦術性とアクション性のバランスが魅力のゲームジャンルです。
この記事では、TPSゲームを作ってみたい方のために、開発の流れやポイント、使えるツールや注意点を初心者向けに解説します。
目次
目次
- TPSとは?FPSとの違い
- TPSゲーム制作の流れ
- 使えるゲームエンジンとツール
- 実装の要素と仕組み
- TPS開発のコツ
- まとめ
1. TPSとは?FPSとの違い
TPS(Third-Person Shooter)は、キャラクターの背後から見下ろす視点で進行するシューティングゲームです。代表的なゲームには次のような作品があります:
- 『フォートナイト(Fortnite)』
- 『Gears of War』
- 『バイオハザード4』
- 『スプラトゥーン』
FPSとの違い
項目 | FPS(1人称) | TPS(3人称) |
---|---|---|
視点 | プレイヤーの目線(視界狭い) | キャラクターの背後から(視界広い) |
臨場感 | 高い | 少し客観的 |
戦略性 | 反射神経や照準力が重視されやすい | 遮蔽や立ち位置などの駆け引きが重要 |
TPSは「キャラを動かしてる感」が強く、アクションゲームやステルス要素と相性が良いのも特徴です。
2. TPSゲーム制作の流れ
① コンセプトとジャンルを決める
- 戦闘中心?探索中心?
- SF?ミリタリー?ファンタジー?
- ストーリー重視?マルチ対戦?
② キャラクター操作を実装
- 移動(前後左右、ジャンプ、ローリング)
- カメラの追従と回転制御
- 射撃や近接攻撃のモーション追加
③ 射撃システムの実装
- 武器の照準と発射処理(マウス or ゲームパッド)
- クロスヘア表示とエイム時のカメラズーム
④ カバー・回避システム(任意)
- 壁や障害物に身を隠せる「カバーアクション」
- ダッシュ・ステップ・回避モーション
⑤ 敵AIと戦闘ロジック
- 敵がプレイヤーを認識して追いかけ、射撃する
- ダメージ判定とHP制御も実装
⑥ UI・演出を追加
- 体力、弾数、マップ、スキルゲージなど
- 攻撃時のエフェクトやカメラ振動で臨場感を演出
3. 使えるゲームエンジンとツール
エンジン / ツール | 特徴 |
---|---|
Unity | TPS用アセットやテンプレートが豊富で、拡張性も高い |
Unreal Engine | 高画質でリアルなTPSに強い。ブループリントも使いやすい |
Mixamo(Adobe) | 無料で3DキャラクターとTPS用モーションが取得可能 |
Blender | キャラクターモデルやアニメーションの作成に最適 |
4. 実装で重要な要素
要素 | 内容 |
---|---|
三人称カメラ制御 | キャラクターの後ろに常にカメラが追従。回転やズームも重要 |
射撃システム | キャラの視線とマウスの方向を同期し、弾を発射 |
エイム(狙い)機能 | エイム時にカメラを肩越しに寄せる演出(Over-the-shoulder) |
アニメーション | 走る、撃つ、リロード、カバーなど多様な動作を組み合わせる必要あり |
5. TPS開発のコツ
- キャラの動きとカメラの連動を丁寧に調整
TPSでは「動かしていて気持ちいい」と感じられる操作感が重要です。 - カバーや遮蔽物の設計が戦略性を左右する
プレイヤーが遮蔽に隠れて撃ち合えるよう、マップ設計にも工夫を。 - 照準と実際の弾の飛ぶ方向の整合性を取る
TPSでは「見た通りに当たる」感覚がないとストレスになります。 - 攻撃演出やリアクションも重要!
弾が当たった時の敵のリアクションや音もゲームの爽快感に大きく影響します。
6. まとめ
TPSゲーム制作は、アクション・シューティング・カメラ制御・演出など、幅広い要素をバランスよく組み合わせる必要があります。だからこそ、完成したときの満足感は格別です。
最初は市販アセットやテンプレートを使って試作し、少しずつ独自要素を加えていくのが成功への近道です。