Unity製ゲームを『フォートナイト』へ展開可能に、Unreal EngineもUnityのコマース利用へ
Unity と Epic Games が協業を発表し、Unityで開発したゲームを『フォートナイト』内に展開できるようになる という、これまでの常識を覆す取り組みが始まります。というのもこの2社はライバル関係であり、両者それぞれの強みを伸ばしてきた側面が少なからずあるためです。今回は客観的な視点から要点をまとめていきます。
さらに、Unity のクロスプラットフォーム・コマースサービスが Unreal Engine をサポート することも同時発表され、開発者にとって選択肢が一気に広がる状況となりました。
ゲームエンジン界の二大巨頭が手を組むこのニュースは、今後のゲーム制作・配信のエコシステムに大きな変化をもたらす可能性があります。
Unity製ゲームが『フォートナイト』で公開可能に!
今回11/19~11/20に行われたUnityカンファレンス「Unite2025」の一番の注目点は、
Unity で開発されたゲームを『フォートナイト』上に展開できるようになる ということ。
『フォートナイト』は 5億以上の登録アカウントを持つ世界最大級のゲームエコシステム。一時は7000万人の月間アクティブユーザーを誇っていました。
この巨大なコミュニティに、Unity開発者が作品を届けられるようになるのは、非常に大きなチャンスです。
開発者にとってのメリット
- 圧倒的なユーザー基盤にアクセスできる
- フォートナイトクリエイターとして参加可能
- 新しいビジネス・収益化の可能性が広がる
Unityとフォートナイトという、これまで別の世界にあったシステムが結びつくことで、もっと多くの開発者が、もっと多くのプレイヤーにサービスを提供できる環境が整おうとしています。
Unityのコマースプラットフォームが Unreal Engine をサポート
同日のUnityカンファレンス「Unite」ではもう一つ大きな発表がありました。
Unity のクロスプラットフォーム・コマースプラットフォームが Unreal Engine に対応するというものです。
これにより、Unreal Engineを使う開発者は Unity の提供するウェブショップ管理ツールや価格設定・プロモーション・ライブ運営管理ツールを使用することができます。
提供時期は来年初頭を予定。
技術面だけでなく 商用・運営面でのサポートを相互に受けられる体制 が構築されていくことで、エコシステムはより開かれたものになりそうです。
両社のCEOコメント
Unity CEO マット・ブロンバーグ
「世界中のゲーム開発者により多くの機会を創出するため、Epic Gamesとパートナーシップを組めることを嬉しく思います。
選択肢とオープンなシステムは、ゲームシステム全体の成長を促します。」
Unity側は「開かれたエコシステム」の重要性を強調。
特に近年は開発者との信頼回復が課題となっていたため、今回の協業はコミュニティにとってポジティブな一歩と言えそうです。
Epic Games CEO ティム・スウィーニー
「オープンなメタバースを作るためには、企業が協力する必要があります。
Unityと共に、開発者が楽しいゲームを作り、より大きなオーディエンスに届け、成功できるよう支援します。」
Epicは「オープンメタバース」の旗を掲げ続けており、今回もその姿勢が明確に示されています。
Unityとの協業は、Epicの目指す「互換性あるメタバース世界」の実現に向けた重要な布石と言えるでしょう。
この協業で何が変わるのか?
今回の発表には、ゲーム業界全体にとっての大きな意味があります。
Unity と Unreal は長年ライバル関係でした。
しかし今回の協業は、競争と協力を両立する流れを象徴しています。今回の協業をきっかけに異なるゲームエンジンで作り好きなプラットフォームで公開することができるようになる可能性があります。
EpicもUnityも、ゲーム外の産業(映像、建築、シミュレーション)に力を入れています。
今回の協業は、産業全体のデジタルエコシステムを統合する流れ に拍車をかけるでしょう。
自然界の生態系のように、デジタル技術を活用して企業や組織のあり方を根本的に変革すること。、単独では実現できない新たな価値を創造する仕組み。類語:DX
イベント「Unite」も盛況
発表が行われた Unity の年次開発者会議「Unite」には 1,500名以上の開発者が参加。
ライブ配信・後日の録画公開も予定されており、Unityコミュニティの関心の高さがうかがえます。
今後の追加情報は来年発表へ
今回の取り組みに関する詳細は 来年順次公開される予定。
Unity と Epic Games によるこの協業は、「ゲーム開発の境界線」を消し、新しいクリエイティブの形を生み出す大きな転換点になるかもしれません。


