Unreal Engine(UE)は、世界中で多くのゲーム・映像制作に活用されている高機能なリアルタイムエンジンです。
では、そんなUnreal Engineで実際に何の言語が使えるのかご存じでしょうか?
本記事では、Unreal Engineで使われる代表的な**2つの開発言語「Blueprint」と「C++」**について、それぞれの特徴や違い、使い分けのポイントを徹底解説します。
目次
Unreal Engineで使える主な言語は?
Unreal Engineで標準的に使用される言語は以下の2つです:
言語名 | 特徴 | 難易度 |
---|---|---|
Blueprint | ノードベースのビジュアルスクリプト | 初心者向け |
C++ | 高性能・柔軟な本格的プログラミング言語 | 中〜上級者向け |
※他にもPythonやVerse(UEFN用)などがありますが、本記事では主要な2言語に絞って解説します。
Blueprintとは?【視覚的に分かりやすい】
Blueprint(ブループリント)は、プログラミング不要で使えるノード型のスクリプト言語です。ノードを線でつなぐことで、キャラクターの動き、イベント処理、UI制御などを直感的に作成できます。
こんな人に向いている!
- コードが書けない or 苦手な人
- アーティストやデザイナー
- 試作・プロトタイピングを高速で行いたい人
Blueprintでできること(例):
- キャラクターの移動・ジャンプ処理
- UIやHUDの表示
- ゲームイベントの管理(アイテム取得・ドア開閉など)
- カメラ制御やエフェクト演出
- 簡単なAI挙動の作成
Blueprintだけでも、小〜中規模ゲームなら完成まで可能です!
C++とは?【より高度な処理が可能】
Unreal Engineの**コアで使われているのがC++**です。Blueprintよりも細かい制御ができ、高速で複雑な処理にも対応します。
こんな人に向いている!
- プログラミング経験がある人
- 大規模なゲームやシステムの開発者
- 新しい機能を追加・最適化したい人
C++が得意なこと(例):
- 独自クラスやコンポーネントの追加
- 高速なアルゴリズム処理(パスファインディングなど)
- 新しい機能・UI・エディタツールの拡張
- ネットワーク処理やサーバ連携
- プラグイン開発
Blueprintでは難しい処理や、パフォーマンスを重視した開発にはC++が必須になることもあります。
BlueprintとC++の違いを比較!
項目 | Blueprint | C++ |
---|---|---|
難易度 | 低い(初心者向け) | 高い(中級者以上推奨) |
視認性 | 高い(ノードで見える) | 低い(コードで処理) |
開発スピード | 早い(プロトタイピング向き) | 遅め(構築に時間がかかる) |
拡張性・柔軟性 | 中程度(エンジン機能に依存) | 高い(独自ロジックも自由に追加) |
パフォーマンス | やや低い(ノード処理が重い場合も) | 高速(最適化しやすい) |
学習コスト | 低め | 高め |
どちらを選ぶべき?使い分けのポイント
開発内容 | おすすめ言語 | 理由 |
---|---|---|
小規模な個人ゲーム制作 | Blueprint | 手軽に試せて学習コストも低い |
映像やデモの演出 | Blueprint | カメラ・演出制御が簡単 |
プロトタイプ開発 | Blueprint中心 | すぐ動かせる。実験向き |
大規模オンラインゲーム | C++ + Blueprint併用 | 性能と拡張性が必要 |
オリジナル機能やUI拡張 | C++ | コアな制御や最適化が可能 |
チーム開発(分業) | 両方併用 | デザイナーはBP、プログラマーはC++で分担 |
→ 多くの現場では「C++で基盤を作り、Blueprintで演出や挙動を実装」する併用スタイルが主流です!
補足:その他の言語・技術
言語 / 技術 | 用途・特徴 |
---|---|
Python | ツールスクリプト・エディタ自動化などに利用可能 |
Verse | Unreal Editor for Fortnite(UEFN)専用のスクリプト言語 |
Blueprints Nativization(廃止) | BlueprintをC++に変換(UE4時代の機能、UE5では非推奨) |
まとめ
- Unreal EngineではBlueprint(視覚的)とC++(本格的)の2つが主に使われる。
- Blueprintだけでも多くのゲームや演出が可能。
- C++はより細かな制御や高性能な処理に向いている。
- 両者を使い分け・組み合わせることで、理想的な開発スタイルが実現できる!